古代エジプトの時代からパン作りに欠かせないアイテムである発酵種。
パン生地の形状や風味醸成など重要な役割を担う発酵種とは、原料である粉と水分を混ぜ、 そのなかで乳酸菌と酵母が活動し、発酵してできたものです。
日本の伝統的な発酵食品、糠みそ漬けは、日々糠床を手入れして乳酸菌と酵母を大切に守り育て、 各家庭独自の味わい豊かな漬物に仕上げます。
伝統的な発酵種のつくり方は、糠床とおなじように乳酸菌や酵母の代謝活性を維持しながら、 手間ひまかけて種を継いでいきます。
現在は、伝統的な手法のほかに短期間で安定して生産する工業的手法も用いられています。
発酵種は発酵の過程で乳酸菌や酵母がうみだす有機酸類・アルコール類によって、 最終製品であるパンの香りや味わいを高めます。
さらに、乳酸菌などの酵素によってタンパク質が分解され、呈味成分である遊離アミノ酸がうみだされ、 パンによって深い美味しさを与えます。
乳酸菌と酵母がうみだす、発酵の奥深い世界を味わってみてください。