水、乳脂肪分、タンパク質を含みます。味と食感のために使用します。
乳脂肪分が高いものを使用すると時間の経過とともに光沢が失われますので乳脂肪分35%以下のクリームを使用することをおすすめします。
植物油脂の使用も可能です。レシピ中の乳脂肪分が高い場合はその一部を牛乳に置きかえてください。
使用目安(平均値/以下同様):総重量の10~30%
水、牛乳は、生クリーム、コンデンスミルク、スキムミルク(脱脂粉乳)と組み合わせて使用することが多いです。
ゼラチンを使用するレシピではゼラチン量のみが表記されていて、水分量が書かれていない場合があります。
その場合はゼラチンが吸収する水分量を計算する必要があります。そうすることでレシピのBrix(ブリックス)を常に一定にすることができます。
水分が少ないと粘度が高く、気泡を含みやすい状態に、多い場合はBrix(ブリックス)が下がります。
使用目安:総重量の25~40%(全ての材料の水分量の合計)
通常、ピューレを使用する場合はグレーズの色と味をよくするため、色素や香料を組み合わせます。フルーツピューレは裏漉しすることをおすすめします。
フルーツの種類によってpH値が異なるためグレーズのセット力に影響を及ぼします。
タンパク質分解酵素が含まれている生のキウイ、パイナップルなどのフルーツピューレを使用するとゼラチンの強度が弱くなることがあります。
使用目安:総重量の15~30%
主にグレーズのBrix(ブリックス)を上げるために使用します。
グラニュー糖は甘さを出すために使用し、粘度を与えます。使用量が多いと甘さが際立つため、他の糖類と組み合わせて使用します。
また他の糖類と比べると原価を抑えることができます。
使用目安:総重量の10~30%
一般的に使用されている水あめ(DE42-48タイプ)の使用をおすすめします。グラニュー糖と比べると甘さを抑えられ、流動性が上がり、光沢が強くなります。また他の糖類と比べると原価を抑えることもできます。
使用目安:総重量の10~30%
グレーズが乾燥するのを防ぐために使用します。甘さが強い材料なので少量を使用します。カカオ・グラサージュに使用します。使用量が多いと垂れることがあるので注意が必要です。
使用目安:総重量の7%未満
Brix(ブリックス)を変えずに甘さを抑えたり、艶だしや保湿などの目的で様々な糖類がグレーズに使われています。
トレハロース、ソルビトール、デキストロース、イソマルトなどが主に使用されます(これらの材料は甘さを抑えられます)。種類によって特徴が異なり、グラニュー糖や水あめと置き変えると甘さや粘度が変わります。
使用目安:総重量の10~40%
砂糖、水、乳脂肪、乳たんぱくが含まれています。グレーズに美しい光沢や質感を出し、長時間維持できます。
甘さが強い材料です。また、無糖練乳(エバミルク)もグレーズに美しい光沢を与えてくれます。
使用目安:総重量の10~20%
グレーズの光沢を出し、安定させるために使用することがあります。
スキムミルクは粉末状なのでハンドミキサーなどでしっかりと撹拌し、溶解・均質化することが重要です。
使用目安:総重量の約5%
サラダ油、オリーブオイルを使用する場合があります。
Brix(ブリックス)を変えずにグレーズをよりなめらかにすることができます。
ケーキに光沢を出し、よりなめらかにすることができます。
油脂分が多すぎるとグレーズの光沢が失われてしまうため、多く入れすぎないよう注意する必要があります。
使用目安:総重量の5~10%
グレーズをセットする役割があります。板ゼラチン、粉末ゼラチン、顆粒ゼラチンなどの種類があります。
ゼラチンは低温で凝固するため、グレーズを低温(40℃以下)で使用することができます。
グレーズを冷凍したムースケーキにかけるとゼラチンはゲル化します。
ゼラチンは温めると溶けて液体になり、冷却すると弾力性をもったゲルになる熱可逆性を持っています。強度はブルーム(Bloom)で表します (30~300ブルーム)。
数値が大きいほどかたく固まることを示します。
最も一般的なのがゴールドゼラチンとシルバーゼラチンです。各板ゼラチン1枚の強度は同じですが、板ゼラチン1gの強度は異なります。
レシピではどんな種類のゼラチンを使用しているかを確認する必要があります。ゼラチンの使用量が多過ぎた場合、グレーズの弾力が強くなり、ケーキ全体の食感が変わってしまいます。
シルバー(160ブルーム)1枚とゴールド(200ブルーム)1枚はだいたい同じ強度です(メーカーによって規格は異なります)。
使用目安:総重量の1~2%
*マス・ゼラチン(ゼラチン・マス)の作り方
板ゼラチンや粉末ゼラチンに対し、5~6倍量の冷水を加えて数分間、浸しふやかします。これを「ブルーミング」と呼びます。その後電子レンジなどで溶解し、しっかりと混ぜ合わせ、冷蔵庫で保存しゲル化させます。グレーズを作る際に必要量を計量し、温めた液体に加えることによって溶解します。この方法はヨーロッパでは一般的です。4~5日間分のマスゼラチンをまとめて仕込むことによって作業時間の効率化につながります。
Q&A レシピのゼラチンはどうやって計算するのでしょうか?
例)Q:板ゼラチンシルバー15gは何gの板ゼラチンゴールドでしょうか?
シルバー:160ブルーム = ゴールド:200ブルーム
シルバーゼラチン15g × 160ブルーム ÷ 200ブルーム = ゴールドゼラチン g
15×160 ÷ 200 = 12
A:12g ※粉末ゼラチンの場合も同じ計算方法です
ゲル化剤です。グレーズにとろみをつける役割があり、セット力にも影響を及ぼします。ゼラチンとは食感が異なります。
使用目安:総重量の0.3~1.5%
甘さを変えずに粘度をつける為に使用します。キャラメルグラサージュで使用するのが一般的です。
使用目安:総重量の2%未満
グレーズにチョコレートの風味を与え、より美味しくするために使用します。
レシピ中のチョコレートのココアバター量はそれほど重要ではありません。
ただし、使用量が多いと油脂量が増えグレーズの光沢が失われてしまうため注意する必要があります。
使用目安:総重量の10~30%
黒く濃い色にするグレーズに使用します。とても光沢のあるグラサージュ・カカオができます。
チョコレートを使用した場合と比較するとチョコレートの風味は弱くなります。
使用目安:総重量の5~14%
世界の菓子PCG 2017年4月号より転載